本屋大賞2021ノミネート作品好きな作品ランキング 1~5位

ほん

本屋大賞2021ノミネート全10作品読了したので、私的ランキングをつけてみました。
Titterで「名刺代わりの小説10選」はあくまで好きな本を10冊選んだだけですが、今回はランキングなので、人生初の試みでなかなか苦戦いたしました。
前置きはこれくらいにして、さっそく発表していきたいと思います!!
(あくまで私的ランキングです。本屋大賞受賞作品予測ではありませんのであしからず)

※書いてみたら、だいぶ長くなったので半分ずつご紹介することにしました(汗

1位 逆ソクラテス 伊坂幸太郎/著

逆転劇なるか!? カンニングから始まったその作戦は、クラスメイトを巻き込み、思いもよらぬ結末を迎える――「逆ソクラテス」
足の速さだけが正義……ではない? 運動音痴の少年は、運動会のリレー選手にくじ引きで選ばれてしまうが――「スロウではない」
最後のミニバス大会。五人は、あと一歩のところで、“敵”に負けてしまった。アンハッピー。でも、戦いはまだ続いているかも――「アンスポーツマンライク」
ほか、「非オプティマス」「逆ワシントン」――書き下ろしを含む、無上の短編全5編を収録。

集英社HPより

人が試されることはだいたい、ルールブックに載っていない場面なんだ。

5編を通じて、子どものころに教えてほしかった言葉がたくさんちりばめられていました。
「あぁ、そういう風に考えればいいんだ」と。
私は子育てをしたことも、教壇に立ったこともないけど、ぜひ子育て中のお父さんお母さん、先生方に読んでほしい作品だと思いました。いじめちゃいけない、人に迷惑をかけてはいけない。子どもにどう伝えたらいいかのヒントがもしかしたら隠されているかもしれない。
物語としても、すごく大好きでした。特に私が好きなのは「非オプティマス」でした。
今回のノミネート作品の著者のうち、唯一初めましてではなかったのが伊坂幸太郎先生でした。
これ以前に読んだ「重力ピエロ」とまったく違った印象を受け、その印象もすごく強いのかもしれませんが、今回のノミネート作品のうち一番人に勧めたい作品という意味でも、読んだ時から不動の1位です。

2位 52ヘルツのクジラたち 町田そのこ/著

自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれる――。

中央公論社HPより

水疱瘡やおたふく風邪と同じでな、小さな子供の内に覚えておかなきゃならんことを大きくなって知るのは、ものすごくしんどいものよ。

読む前に友人から「苦しみけど・・・頑張って」という意味深なLINEをもらっていたので、かなり覚悟を決めて読みました。
確かに、読む人が読んだら、きっと傷つく言葉も散りばめられていました。
それでも、2人の行く末が気になって・・・登場人物一人一人の行く末が気になって、ページをめくる手が止まりませんでした。
本の裏表紙にも書いてある通り、「読んだら語りたくなる物語」というのはなんとなくうなずけました。
とても重いテーマを扱っています。でも、読み終わったとき「あぁ・・・」と不思議なため息が出るような、決して悪くない読了感を味わいました。
この本について語るとどれもこれもがネタバレになりそうなので、難しいです。

3位 犬がいた季節 伊吹有喜/著

1988年夏の終わりのある日、高校に迷い込んだ一匹の白い子犬。「コーシロー」と名付けられ、以来、生徒とともに学校生活を送ってゆく。初年度に卒業していった、ある優しい少女の面影をずっと胸に秘めながら…。昭和から平成、そして令和へと続く時代を背景に、コーシローが見つめ続けた18歳の逡巡や決意を、瑞々しく描く青春小説の傑作。

双葉社HPより

明日がどうなるか、誰にもわからない。だから必死に学んで、これからこの手を変えていく。
生きているもののぬくもりを守る手に。
明日の行方は、この手でつかむんだ。

様々な年代の18歳の物語が5話収録されています。
私が生まれた1988年の高校生も、私が小学高校学年になったころの高校生も、生きてきた時代、見てきたもの、いろいろなものが違うはずなのに、どこか同じクラスの友人のように身近に感じるような悩みを抱えながら過ごしている。そんな空気感がとても読んでいて心地よかったです。
また、物語内で時々登場するその年を象徴する音楽のタイトルが登場して、「ラジオでよく流れてたなぁ~」と少し昔を懐かしみながら読むこともできました。
一番好きな物語は、「第2話 セナと走った日」でした。一言でいえば「THE 青春」です。
多分、こういう「THE 青春」な青春に憧れていたけど、実際そこまで「THE 青春」を送れなかったからこそ、こういう青春物語に惹かれるのかもしれません。

4位 お探し物は図書室まで 青山美智子/著

お探し物は、本ですか? 仕事ですか? 人生ですか?
人生に悩む人々が、ふとしたきっかけで訪れた小さな図書室。
彼らの背中を、不愛想だけど聞き上手な司書さんが、思いもよらない本のセレクトと可愛い付録で、後押しします。
仕事や人生に行き詰まりを感じている5人が訪れた、町の小さな図書室。「本を探している」と申し出ると「レファレンスは司書さんにどうぞ」と案内してくれます。
(中略)
仕事や人生に行き詰まりを感じている5人が訪れた、町の小さな図書室。「本を探している」と申し出ると「レファレンスは司書さんにどうぞ」と案内してくれます。

ポプラ社HPより抜粋

理屈よりも、ワクワクするならその選択は正解なんだよ、きっと

読んだ時期がちょうどいろいろと悩みすぎている時期だったこともあり、心に響く言葉があふれている作品でした。
私自身、町の図書館の司書さんには書庫の本を取ってもらったり、学校の司書さんは仲は良かったけどレファレンスをしてもらうことはなかったので、こんな素敵なリファレンスをしてくれる司書さんが身近にいたらぜひ活用させていただきたいと思いました。
装丁の「図書館の本」感も好きだし、読み終えた後に改めて表紙絵を見ると、ちょっとほっこりさせてもらえます。

5位 自転しながら公転する 山本文緒/著

32歳の与野都は、2年前まで東京でアパレルの正社員として働いていたが、更年期障害を抱える母親の看病のため、茨城県の実家に戻ってきた。今は牛久大仏を望むアウトレットモールのショップで店員として契約で働いている。地元の友だちは次々結婚したり彼氏ができたりする中で、都もモール内の回転寿司店で働く貫一と出会いつき合い始めた。でも料理が上手で優しいけれど経済的に不安定な彼と結婚したいかどうか、都は自分の気持ちがわからない。実家では両親共に体調を崩し、気づいたら経済状態が悪化していた。さらに職場ではセクハラ、パワハラいろいろ起きて――。恋愛をして、家族の世話もしつつ、仕事も全開でがんばるなんて、そんな器用なことできそうもない。ぐるぐる悩む都に貫一の放った言葉は、「そうか、自転しながら公転してるんだな」。

新潮社HPより

この作品だけは、本屋大賞ノミネート作品発表前に読んでいました。
NHKのあさイチという番組で山本文緒先生を知って、この作品の主人公が32歳独身女性であることが分かって親近感を覚え、すぐに書店へ行って手に入れて読みました。私が大好きな映画監督 新海誠監督が推薦文を書いていたことも大きな理由(笑
読んでみて、特に恋愛面で共感することが多くありました。どのフレーズがといよりも、物語全体を通して不安に思うこと、人の彼氏を羨ましく思うところなど。
どこか両親に甘えているという自己嫌悪感にもすごく共感。
500ページくらいある作品ですが、特に後半は先が気になって一気に読んでいました。
恋愛・家庭・職場の問題がこんなに一度におこるものなのか!小説だからか。。。なんて思いながらも、絶対にどこか自分に当てはまりそうな32歳女性像でした。

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